キトサンは分子量が決め手〜高分子、低分子から水溶性キトサンまで

キトサンのサプリについて調べていて、分子量という言葉を目にしたという方は多いと思います。

普段あまり使わない言葉なのでよく分からないのではないでしょうか。

ところが、この「分子量」、キトサンのサプリメント選びには重要なポイントとなるのです。

なぜなら、キトサンは、分子量の大きさによって性質が異なってくるからです。

キトサンといったらどれも同じだと思っている方は注目です。

キトサンのサプリメントを選ぶ際は、是非以下の解説を参考にしてください。

1.キトサンのサプリにとって重要な「分子量」とは

キトサンには分子量の大きさに違いがあって、それにより性質が異なってきます。

もし、あなたがキトサンのサプリメントを選ぼうとしているのなら、パッケージを見たりやメーカーに問い合わせるなどして、その分子量について確認するべきでしょう。

ここでは、キトサンのサプリにとって大切な分子量について分かりやすく解説します。

1-1そもそも分子量とはどんなものでしょう。

この項では、分子量という物の基本的な事について触れてみようと思います。

なので、分子量の話はあまり興味がない、キトサンの事を知りたいだけ、という方は、飛ばして次に進んでください。

さて、分子量の基本的な知識は、高校1年生の化学の授業で習った方が多いはずです。

でも、特に専門の仕事にでも就いていない限り、忘れてしまったのではないでしょうか。

という方におさらいです。

まず、分子量の定義は、

「分子量とは分子を構成する原子量の和」

となります。

原子量とは、それぞれの元素にある原子の相対的質量の事です。

少し分かりにくいのですが、簡単に言うと、分子量とは、物質を作る基本的な要素である「元素」が持つ「原子」の質量=「原子量」を集めたものという事になります。

これらのことを水を例にして考えてみます。

水の分子式はH2Oです。

元素はH(水素)とO(酸素)ですね。

H(水素)の原子量は「1」、O(酸素)の原子量は「16」になるので、水H2Oでは、Hが2つとOが1つで構成されていますから「1×2+16=18」となります。

つまり、水の分子量は18ということです。

水の分子量

1-2キトサンの分子量

キトサンの分子量についてみてゆきたいと思います。

キトサンを構成している基本分子は、膝の痛みに良いなどと言われている、あのグルコサミンです。キトサンは、グルコサミン分子が多数繋がってできているのです。

キトサンの最小単位であるグルコサミンの分子式はC6H13NO5と表します。

先程の水と同じように、それぞれの原子量を見ていくと、C(炭素)は「12」、H(水素)は「1」、N(窒素)は「14」、O(酸素)は「16」です。

それを分子式に当てはめてゆくと下の図の様になって、グルコサミンの分子量は179になることがわかります。(正確には相対的質量も考慮しなければならないので、179.17g/molとなりますが、ここでは細かい事は気にしません)

グルコサミンの分子量

このグルコサミン分子が2つ以上繋がったものがキトサンということになるので、グルコサミン分子が繋がった状態のキトサンの分子式は(C6H11NO4)nと表せます。

そして、先程と同じ様に原子量を当てはめてゆくと、下図の様にキトサンの分子量は161となります。

キトサンの分子量

この様にグルコサミン分子が2つ〜無数に繋がったものがキトサンという物質になります。

グルコサミンから高分子キトサン

もし、分子量が1万のキトサンというものがあるとすると、10,000÷161=62.11…という事になるので、分子量1万のキトサンは、キトサンの分子、すなわちグルコサミンが約60個ほど繋がったものだと、ざっくりですがイメージできると思います。

キトサンの中では、最も広く使われている高分子キトサンでは、グルコサミン分子が数千個程度繋がっていると言われるので、それを分子量に置き換えると100万などといった大きな単位になるということです。

2.分子量の違いで分けられる5種類のキトサン

化学の勉強のようになってしまい、サプリメント選びにはあまり役に立たない話だったかもしれません。

ここからは、もう少し関係のある内容になると思いますので、興味のある方は進めて読んでみてください。

さて、キトサンには、抽出される原料や、生成のされ方によって様々な種類があります。

ここでは、分子量の大きさによって分けられた、主に5つのキトサンについて、その性質の違いなどを解説したいと思います。

2-1高分子キトサン

高分子キトサン

分子量はおよそ約100万以上です。

サプリメントなどとして一般に売られている製品で、特に分子量についての記述がなければ、キトサンといえばこの高分子キトサンのことを指していると考えても良いと思います。

カニ殼などからキトサンを得る場合、その原料である天然のキチンは高分子として存在しています。そのキチンをそのまま化学処理して抽出したキトサンはやはり高分子です。より、天然物に近いと言っても良いかもしれません。

高分子キトサンは、他のキトサンと比べると比較的安価だということもあり、食品、繊維、工業分野やその他広く利用されてきました。その分、学術的なデータが豊富でエビデンスが整っているところが、高分子キトサンの特色と言えます。

今は研究が進んで、低い分子量のキトサンにも有効性が見出されてきましたが、以前はキトサンといえば高分子だったので、高分子キトサンは、キトサンの基本形とも言えると思います。

高分子キトサンは、水には溶けません。水に入れて撹拌してもすぐに底の方に沈んでしまいます。

ただし、お酢やクエン酸などの薄い酸には、簡単に溶けます。

味は、独特の苦味や渋みがあるので、個人差があると思いますが、粉末そのままでは食べにくいと感じる人は多いかもしれません。

2-2低分子キトサン

低分子キトサン

分子量はおよそ15万以下とされていますが、キトサンの場合分子量の捉え方が一般的ではない為、ここまで大きくても低分子の枠に入ります。また、研究者やメーカーによってもその考え方にはばらつきがあるようです。

この程度まで分子量を下げても、依然として水には溶けません。

ただし薄い酸には容易に溶解します。

高分子キトサンと比べると、体内ではさらに溶けやすくなる為、食事から摂った物との混ぜ合わさりや、体内での分散がスピーディーで、すばやく働きを発揮すると考えられます。

2-3水溶性キトサン

水溶性キトサン

高分子キトサンは水に溶けないという性質に対し、水に溶けやすくなるよう乳酸と混合した特別なキトサンです。

分子量としては1万前後と低分子キトサンよりもさらに低く設定しています。

分子量が1万程度のキトサンでも、そのままでは水には溶けませんが、この水溶性キトサンは乳酸と混合していることと、分子量が低いことで体内での溶解性は非常に高くなります。

分子量もここまで低下してくると、高分子キトサンには見られない働きが確認されてきます。

さて、巷では「水溶性キトサンは水に溶けやすい、だから体内に吸収されて、体に良い効果がある」といわれたりしています。

しかし、これはには若干の注釈が必要になると思います。

なぜなら、水溶性キトサンのように分子量が小さくなればなる程、体内に吸収される割合も増えてくるとは思いますが、それでもまだ多くは吸収されずに腸管を通り抜けていると考えているからです。

つまり、いくら水溶性キトサンだからと言っても、全てが分解されて吸収されるということは、考えにくいということです。

ですので、水溶性キトサンには、体内に吸収されることで得られる働きと、吸収されずに腸管を通り抜ける事で得られる働きの、二つを備えていることが最大の特徴だと考えています。

2-4キチンオリゴ糖

キチンオリゴ糖(nacos)

キチンオリゴ糖は、キチンを調整して作られたオリゴ糖で、別名ナコス(nacos)と呼ばれています。

分子量としてはおよそ424~1,236になり、ここまで小さくなるとそのままで水に溶けるようになります。

キチンはキトサンの元になる物質で、最小単位はN-アセチルグルコサミンです(キトサンはグルコサミン)。

じつは、サプリメントとしてのキチンには、機能性の報告はあまり多くありません。

どうしてかというと、キチンはそのままでは水にも酸にも簡単には溶かすことが出来ない為、実験材料としての扱いが悪く、そこがネックになって研究が進んでいないからなのです。

かと言って、キチンに生理的な働きが全く無い訳ではなく、キチンオリゴ糖のような形になると、高分子のキチンやキトサンでは得られない働きが見られるようになることが研究によって判っています。

味は、キトサンのようなクセは無く、淡い甘みがあるのが特徴です。

2-5キトサンオリゴ糖

キトサンオリゴ糖(cos)

キトサンオリゴ糖は別名コス(cos)と呼ばれています。

分子量はおよそ340~1,306個程度で構成され、キチンオリゴ糖同様そのままで水に溶解します。

オリゴ糖なのでプロバイオティクスとして腸内で役立つと同時に、キトサンと似た働きを持ち合わせています。

また、分子量が限りなく低いため、体内で分解もされやすく、一部は単糖のグルコサミンとして吸収されるということも分かっています。

味は、特有の甘苦味や酸味が感じられます。

まとめ

サプリメントとして、その多機能性により様々なシーンで利用されているキトサンですが、一口にキトサンといっても分子量の分類だけでも複数あることがお分かりいただけたと思います。

高分子キトサンからキトサンオリゴ糖と、徐々に分子量を低めることで有用性が変化してくる、そんな特別な成分がキチン・キトサンです。

価格面では、高分子よりも低分子化された物の方が高価になる傾向があります。

それは、原材料のキチンは高分子として存在している為で、低分子化するにはコストが掛かってしまうからです。

高分子では得られない機能性が見られるのは、低分子のキトサンの興味深いところです。

弊社の製品には高分子キトサンだけを使っているものから、キトナコスのように、全ての種類を網羅しているものまでバリエーションは各種取り揃えているので、ご自身にあった物を選んでいただけると思います。

もし、パッケージを見ただけで判断できない場合は、問い合わせるなどして、分子量を確認していただきたいと思います。

 

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